(ベットルームはこんな感じ。 ヨットの船内とは思えないくらい十分に広い)
朝8時にチャーター会社のオフィスがオープン。 必要書類にサインし、BVI内をセーリングするためのCruising Tax,National ParkFeeなどを支払う。 そうそう、ケンケン釣りを持ってきたので、フィッシングライセンスもお願いしないとと口にすると、チャーター会社のJannの顔がちょっと曇った。 『我々はフィッシングライセンスを発行できないので、役所で発行してもらわないといけないです。』 え~~! 釣りは楽しみの一つだったのに! さらに話をきくと、本日は日曜日だから役所は明日までオープンしないという。 とりあえず、書類申請の準備だけを行っておこうということで、Jannの協力のもと、オンラインで申請書類を作成しておいた。
(チャーター会社オフィスにて。 お世話になったJann)
次に船内の艤装品から大まかな装備の使い方のレクチャーを受けて、人数分のシュノーケリング道具を積み込む。 バッテリーは十分チャージされているが、燃料タンクが2つのうち一つが3/4程度、それから昨日シャワーなどで使った分の水の補給を行う。 後ろにつけられたディンギー(アンカーリグした場合には、こいつを使って陸に上陸)のキーもなかったので、そちらも受け取る。 昨晩判明したデッキのサロンのライト切れも修理してもらう。 (やっぱりヨットのレンタルではいろいろと事前にチェックして出航前に直さなければならない問題が多い)
最後にYannが来て、これからの航海のブリーフィングを行ってくれる。 まずは、BVI周辺で入れない地域(珊瑚などを保護しているところや、岩礁で危ない場所)の説明と、立ち寄ったほうがよいスポットなどを今後の我々の航海プランと照らしあわせて教えてくれる。
(チャーター会社のオフィスマネージャーYannからレクチャーを受けているところ)
もともと出発前にメンバー各位でいろいろ調べておいたので、我々のコースや立ち寄りプランはほぼYannの推薦してくれた場所をカバーできていた。 最後にひとつだけ、皆で決めなければいけないことがあった。 それはUA便の荷物4個がまだBVIに来ていないので、そいつをどうやって受け取るかということ。
それともう一つはFishingLicenseのことも。(Fishingラインセンスなしの罰則は相当厳しいと聞いていたので、ケンケン釣りのライン一本でもきちんとライセンスを取得しなければならない。) Jannが明日の朝一で役所に行き、申請してくれるというが、どうやって受け取るのがよいのか。 オリジナルの予定にしたがい、隣の島、Virgin Gordaに向かってしまったら、荷物もFishingLicenseも受け取ることができないので、最初の予定を遅らせて、2日目から予定にのせるプランを考え直した。
というわけで、本日は一番近いCooper Islandまでセーリングしたあと、RoadTownに夕方までに戻り、フェリーターミナル近くに係留。 UAからの荷物が届き次第にフェリーターミナルで通関して受け取り、翌朝 FishingLicenseが発行出来次第にJannにRoadTownまで車で来てもらい、我々はディンギーでフェリーターミナルへ行き、そこでライセンスを受け取るというプランにした。 結構綱渡りだが、なんとかなるだろうと、一同納得して、いざ出航! MayaCoveを出たのは12時を少し回った頃だった。 当日の天気は残念ながらの曇天であったが、海はどこまでも青く、皆初めてのBVIクルーズに興奮気味。 MayaCoveのエントランス周辺にはかなりの岩礁が続いていて、チャネルマークがハーバーをでてから90度に曲がっていた。 マークが近づくと、浅い岩礁が見え隠れ、こりゃ浅くて危ない。 最後のチャネルブイを抜けていよいよ外洋にでたとたんに強い風。 どんな感じで走るかわからないヨットなので、安全に2ポイントリーフ(強風時の縮帆)でメインセールをホイスト。 目指すCooperIslandは風上に位置しているので、ジブセールもあげるが強い風のせいでうねりも大きく(3m)、42Feetのカタマランはふらふらと揺れながら帆走開始。 途中、ジブシートの中間部分、リーチ付近のセ-ルに切れがあることを発見。 風も強かったため、切れが広がらないように気を使いながら帆走。 これもまた、今後のセーリングを考えると大問題ではあるが、とりあえず今は目的地のCooperIslandを目指すことに。 普段のモノハル(普通の形のヨット)になれているので、まったくヒール(傾かず)しないで進むカタマランは不思議な乗り心地。 ラダーの反応も鈍く、大型トラックのようにステアリングが向いている方向にドーっト進む感じ。
風は20ノットをオーバーしだしたので、メインを2ポイントリーフしておいてよかったと心の中で思う。 艇速は5ノット程度が表示され、普段乗っているレース艇と比べると帆走性能は雲泥の差で、シーアンカーを打っているように感じる。 でも今回はレースにきたわけではなく、皆で楽しむセーリングなので、これで十分。 皆はサロンの屋根やバウ前方のデッキ部分でBVIの海の色と風を楽しんでいた。 何度かタックをしているうちにCooperIslandの海岸線にやしの木とモーリングしているヨットが見えてきた。 一時間弱のセーリングでCooperIslandに無事到着。 モーリングブイを拾ってカタマランを無事に係留、到着するやいなや息子やシンクローは青い海に飛び込んだ。
残りのメンバーもテンダーのディンギーにてCooperIalandResoortのポンツーン(桟橋)に到着。 BVIにて二つ目の島、CooperIslandに上陸。 海岸正面にあるリゾートにはレストランとバーがあって、まずはそこでランチを食べることにした。 真っ青な海が見えるレストランで食べる食事とカクテルの美味さは格別であった。 ランチのあとは3時過ぎまで各自が自由に過ごすこととし、リゾートのブティックで買い物したり、海でシュノーケリングしたり、デッキで昼ねしたりしてあっという間に時間が過ぎた。
(CooperIslandで昼食をとったCooperIlsand Clubの店内からの一枚。 レストランの正面にはビーチが、そしてその向こうには係留されているヨットがみえる)
さて、本日はRoadTownまで戻らなければならないが、セールの破れもなんとかしないといけない。 CooperIslandを出航して、RoadTownにへさきを向けたところで、チャーターカンパニーのYannに電話する。 ジブセールの破れを報告すると、状況をみたいので、RoadTownに行く前にMayaCoveに戻ってきてほしいとのこと。 破れている部分は30cm程度なので、補修用のセールやリペアテープがあれば、その場で応急処置をするつもりかもしれない。 とりあえず、MayaCoveを目指して帆走する。
帰りは追い風でやはり20ノットオーバー、CatJackはクオーターリーの風をうけて快調に帆走。 MayaCoveには1時間かからずに到着。 エントランスブイからJannに再度連絡。 一番沖よりのポンツーンにポートからつけろとのこと。 湾内にはいると、大型のカタマランのマニューバリングにちょっと緊張するが、エンジンが二つあるので、思った以上に小回りが効く。 うまく着岸すると、Yannが直ぐに乗ってきた。 ジブセールを開いて破れ部分を確認する。 応急処置ではできないレベルのようで、セールをヨットからはずすという。 皆で作業を手伝ってあっという間にジブをはずして、きれいに畳む。
我々の手際のよさに、Yannもびっくり。 いつも52Feetクラスのジブセールを畳んでいるのだから、それに比べれば簡単なので当たり前といえば当たり前だが。 換えのセールがあるのかと聞くと、どうやらないようなのだが、明日の朝までに修理するとのこと。 とりあえず、日没前に今日の係留予定地のRoadTownに急いだほうがよいとのYannのアドバイスで、すぐに出航。 『明日からはVirgin Gorda島から北に上がってしまうので、明日の朝までにセールが必要だよ』と僕の問いかけに対して、Yannは『これから大至急修理して、明日の朝には必ず届けるから大丈夫』と答えてくれた。 が、大丈夫なのかな~?
MayCoveからは20分程度の機走にて、RoadTownに到着。 途中で携帯にもUAから荷物がSTT空港に届いたので、夕方6時にRoadTownに到着するフェリーに乗せたとの伝言も入っていた。 係留ブイはフェリーターミナルの直ぐ横につけた。 これならフェリーまでディンギーで直ぐにいける。 係留すると、当番のシンクロー夫婦がカレーつくりを開始して、残りメンバーはお手伝いと夕日を見ながらノンビリすごす。 6時過ぎにはもう一度電話が入り、我々の荷物が無事にRoadTownについたのとこと、さっそくディンギーを降ろしてフェリーターミナルへ向かう。 大型フェリーが付く桟橋にディンギーを係留して、入国事務所へ。 フェリー客がまだ行列しているので、彼らが終わるまで待つように言われる。 やく20分後にようやく列がはけ、我々の荷物を受け取る。 通関もなにも、自分の荷物を指差すと、名前も中身も確認せず、OKOK Go ahead and Take these out!だって。 UAに預けた荷物4個をディンギーに乗せて、無事にCatJackに帰還。 これでシャワーを浴びたあとで自分のシャツを着ることができる!
モノハルのわたるん夫婦は本日はブリーフィングの後で風が強いことを知り、出航をやはり一日遅らせることとしたので、RoadTownのMooringチャーターのベースにいることが判明。 無線で連絡をとって、CatJackに合流することに。 RoadTownの夜景を見ながら、デッキ側のサロンでカレーライス。
やっぱり南国にはカレーとビールが似合う。 そして、食事の後には、大トランプ大会が午前2時まで続き二日目の夜は更けていった。
(シンクロー夫妻が作ってくれたカレーをデッキ側のサロンで食べる。)
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