2011年8月17日水曜日

British Virgin Island sailing Day 3 その2


その1(落水したシンクローよりつづく)

シンクローが海水をくみ上げようと、海になげたバケツに引っ張られて落水した直後に
デッキにへたり込んでしまったなっちゃんだったが、すぐさま真寿美をサポートにつけて
二人でしっかりとシンクローのいる場所をみているように指示する。 
落水で一番怖いのは、落水者を見失ってしまうこと。 大海原で50mも落水者から離れてしまえば、海上にみえる人間の頭など、簡単に見失う。  場所が特定できなければ、どんなに迅速に行動できたとしても落水者にたどり着くことができない。    逆に、しっかりと場所を特定していれば、時間が多少かかったとしても落水者(溺れたりしなかれば)にたどり着き救助することが出来る。

救命ブイを船体から取り外して海面になげるにも少し手間取り、ブイを船上から投げることができたのは、みるみる小さくなるシンクローから100m以上は離れてしまった。 
次に艇速を落とすため、エンジンを停止する。 (少し前より、帆走+エンジンで艇速を稼いだ)
それでもジブセールとメインセールがあがった状態での追い風なので、艇速は5ノット程度はあっただろう。 ターンの遅い、このカタマランで向きを越えてシンクローに戻るよりも、船尾に吊るされたエンジン付きディンギーを使うほうが早く救助できると判断したが、これが間違いだった。 ディンギーを真ちゃんと二人で海上にゆっくり落とそうと固定しているシート(ロープ)をリリース。 ディンギーが海上に接するやいなや、大きな海面の抵抗に引っ張られて、ディンギーもあわや横転するところだった。 急いでシートを皆で引き上げて、横転しそうになるディンギーを固定。  

あとは、できることは、このカタマランで一刻も早くシンクローの落水地点まで引き返すことだけだ。 
CatJackを風上に向けて、クルー全員でセールを下ろす。 
その間にも、目に涙を浮かべていたなっちゃんと真寿美は、小さくなるシンクローの姿をずっと追いかけていた。  二人からシンクローの位置を確認すると、はるかかなた300mは離れたところに、もはや海上の点となったシンクローがいた。  さっそく、エンジン全開でそちらに向かう。  落下したバケツを逆さにして空気をため浮きにして必死に泳いでいるシンクローが近づいてくる。    CatJackが近づくとシンクローの顔にも安堵の笑顔が見えた。    そしてシートを投げて、舳先より無事に救出、わずか10分たらずの出来事だったが、メンバー全員が肝を冷やした大事件だった。    
 
(もちろん、救出劇の最中の写真などはないけど、救出される直前のシンクローです)


デッキにあがったシンクローの無事救出に、皆にも笑顔がもどったが、泳ぎに自信がない人が落ちていたらどうなったことか。   25年のヨット暦で初めて体験した自身の乗るヨットからの落水だったが、いかに普段の訓練で練習していたことが実施できなかったかも思い知った。  
運転席のナビパネルにあった、落水ボタンを押せなかった。 (これをおこなえばGPSで落水位置を特定できる)   救命ブイをはずすのに手間取ったが、デッキ上には、浮き輪やクッション、海に浮かぶものがいくつもあったのに、どれも投げようとも考え付かなかった。  ディンギーを下ろそうとしたのも判断ミスだった。  反省は数々あれど、怪我もなくシンクローが無事だったことがせめてもの救い。  今回貴重な体験をした乗組員の皆にもこれらの反省を心の隅においておいてほしいと思う。 (もちろん、そんな体験が役に立つようなことが、あまりあってはならないが) 

その後、役には立たなかった救命ブイを回収し、とりあえず、トラブルから脱出。  横転しそうになったディンギーからは、オールが一つ海に流れてしまったが、無事に救出できたことに比べれば、小さい小さいと気にしない。 The Dogsに向けてセーリングを再開。

(The Dogsの手前で落水救助のためにCatJackが迂回していることがGPSにもくっきり)



The dogsは3つの無人島が集まっていて、もちろんハーバーなどもないところだが、ダイビングが有名らしく、日中はモーリング(海底に打たれたアンカーから海上に浮かぶ係留ブイに、ラインを結んで船を固定すること)ができるブイがそれぞれに島に用意されている。  一つ目の島、George dogのモーリングブイは全部、埋まっていたので、となりの島、Great Dogのブイにモーリング。   さっそくシュノーケリングを開始。 
 
ここは、いままでの潜った砂浜の海岸とは違い、岩場が近く深いこともあって、いろんな熱帯魚が見え隠れ。   さすがに人気のダイビングスポット。  

(岩場にはさんご礁とその間にトロピカルフィッシュが見える)





ヨット上ではKevinさん、たんちゃんの昼食準備がスタート。  今日はなんと、親子丼!  カリブの海で熱帯魚を見たあとで、親子丼が食べられる贅沢を皆で堪能。 もちろん、シンクローの無事生還を祝う
乾杯も忘れない。   



(親子丼を目の前にビールで乾杯。 さながら移動する海の家?)

 



The Dogsでのランチとシュノーケリングを2時間ほど楽しみ午後1時45分には、本日の宿泊先のScrub Islandを目指して再びセーリングを開始。   このリゾート、実は一番楽しみにしていた宿泊先。  事前の調査で、まだリゾートができて半年ほどしか経っていない最新の場所ということと、なによりサザビーズが投資しているリゾートのウェブページでみた写真が素晴らしかったので。   

(ScrubIslandを目指しながら、再びケンケン釣りを再開。 
今度は鰹があがった。 )






セーリングスタートして1時間ほどでScrub Islandの手前にはMarina Cayという小島が見えてきた。 この島もSabaRockのように小さい岩礁に囲まれた島で、カリブでラム酒を製造販売している、Pusser's Rumが、この島の所有者だそうだ。    島の周りがエメラルド色に光っている。 
見た目はとても奇麗だが、海底が浅い砂浜や珊瑚なのでヨットにとっては注意が必要な箇所だ。   浅瀬をさけて、Marina Cayを大回りすると、今度はScrubIslandの西側に位置しているScrubIsland Marinaが見えてきた。 



皆デッキにでて、Marina Cay, Scrub Islandの素晴らしい眺めにしばし見惚れる



(砂浜と岩礁に囲まれているMarina Cay, 右奥がScrub Island = 観光ガイド用写真が撮られた頃にはまだScrub Island Resortが存在していない)










(左の奥がScrub Island, 右側がMarinaCay, 間にはモーリングしているヨット、カタマラン、パワーボートが)








モーリングは海上で気軽にできるし、係留料金も$20~30と割安だが、海が揺れれば当然係留しているヨットも揺れてしまう。  反面、係留料金はちょっと高くなるものの、桟橋にドックすると係留時のゆれはほとんどなくなるし、陸上から電気をひくこともできる。   本日、CatJackはScrubIslandにドッキングをし、ローレライはモーリングを選択した。  わたるん夫妻もディンギーで夕方にはScrub Islandに乗り付けて、夕飯は一緒にという計画だ。 



(海から見えてきたScrub Island Resort)



CatJackがScrub Islandに近づくと、豪華リゾートが皆の目にも飛び込んでくる。  無線でハーバーマスターに連絡すると、今日のドッキング場所を指定してきた。  CatJackは42Feetのカタマランでカリブ海でセーリングしている中でも中型~大型サイズだが、リゾートに留まっているパワーボートやカタマランはどれもCatJackより大きいものばかり。   指定されたハーバーが見えてくるとハーバーマスターもポンツーン(埠頭)にでて、ラインをとる準備をしてくれている。   大きい埠頭とはいえ、狭いマリーナ内での方向転換はちょっと緊張。  カタマランなので、後進のほうがやりやすいと知識ではわかっていたが実行するのは初めて。 慎重に左右のエンジンを操作しながらポンツーンにゆっくり後進。  運転席が後方にあるので、後進だと船幅も意識しながら埠頭との距離も目視しながら操船できる。  ふーん、それでバックが操船しやすいと言われているのかな?  無事に着岸したあとは、複数のラインでCatJackを固定して完了。     

ハーバーマスターの案内で、リゾートホテルのロビーにてチェックインするよう言われる。
豪華な調度品とソファがあるロビーに入ると、ヨーロッパのリゾートにいるようだ。 チェックインは椅子に座った状態で。 
ヨットの一日の係留費用は、$87!  これで大人9人がカタマランに宿泊して、リゾート施設を全部利用できるんだから、破格といえるだろう。 (水道代と使った電気代は別ですが)
メンバーは各自、プールにいったりリゾート内見学したりして、自由に過ごす。 気にすることなく、シャワーを浴びることもできる。   ジャグジー、プール、スポーツジム、もちろんシャワーやトイレもリゾート内にあるので、水タンクの量など気にすることなく、シャワーを浴びることもできる。   


(プール内には、そのままカウンターに行けるバーもある)












プールで軽く泳いでカクテルを楽しんだあとで、メンバーのうち5人でディンギーにて、隣のMarina Cayに遊びにいくことにする。 
ディンギーで10分程度でMarina Cayに到着。 
さっそくPussers' Rumの店でお土産物色。 皆で$100買ったらただでラムがもらえるというので、皆で土産をどんどん購入!もちろんフリーでPusser's Ramをゲットです。 




(皆で土産買ってゲットしたPusser'sRumはパイナップルの中身をくりぬいてそこに入れてカクテルに)

















(Marina Cayの埠頭には、この電話ボックスの前にLive Cameraが設置されている。 ポーズをとっているのは、インターネットを通じてのアピール? )


5番のMarina Cay電話ボックスを選んだあとに
現在のライブカムの映像がみえるが、画面横の右メニュー、
Find My Photoを押して、 7月5日、4時20分を選ぶと
我々が写った映像も発見!!  おーっと感動したが、当たり前か。。。











ディンギーで日が暮れる前にScrub Islandに戻る。 
釣り上げた鰹はタタキにして、軽く乾杯。  

晩飯はScrub Islandのアウトドアテラスで海を見ながらいただいた。 















いろいろあった一日であったが、カリブに来て初めての豪華リゾートに、皆大満足。 
パイナップルのラムカクテル(強烈に強い)の甘味のせいか、酔いも早い。 
『明日どうしようか?』   
『え~!まだココにいたーい』  
『Scrub Island最高!』 

そうだね、日程は余裕あるし(酔いのせいで誤解している?)、もう一泊ここに
いようか~。  

リゾート気分に浸りながら、Scrub Islandの夜は更けていった。 



本日の記録
Day 3 ( July 5th ) Day run 16.2 nautical miles
AM 9:30 Departed Leverick Marina
AM 10:58 Shinkuro MOB
AM 11:08 Shinkuro was rescued
AM 11:45 Arrived The Dogs
PM 1:45 Departed The Dogs
PM 3:16 Arrived Scrub Island Resort
PM visited to Marina Cay

2011年8月13日土曜日

British Virgin Island sailing Day 3 その1


Leverick Marinaに朝が来た。 
シンクロー夫妻は朝のジョギングにでかけている。  



(朝のLeverickMarina)


天候はBVIについて以来右肩上がりで、今日は朝から青空が広がっている。 
朝ご飯(CAから持ち込んだ切り餅をフライパンで焼いて、海苔をまいた磯部焼き!)
を食べて、9時半にMarinaを出発。 出航時にデッキにある、ハッチが空いていたのに気が付かず、片足が落下するハプニングに襲われたが、大事にはいたらず(左わき腹摺傷)、無事に離岸。  まずは同じ湾内の東側にあるBitter End、Saba Rockを目指す。  ここにもLeverickマリーナに負けないくらい大きなヨットハーバー(Bitter End Yacht Club)があり、周辺には係留されているヨットが何十杯も見えた。  Saba Rockは直径が数百メートルの島で、レストランとリゾート施設があるそうだ。 もちろん小さい島なので、船で行くことしかできない。  我々は島の前をゆっくり通りすぎて海からのSabaRockの景色を楽しむ。  周りのビーチには白い砂浜が広がり、海の色が青に緑に変化している。   


(わたるん夫妻のローレライ号)












すばらしい景色をカメラに収めようと、皆デジカメ片手にデッキ上で写真撮影大会。   本当にキレイだったVirgin Gordaの北側を後に次はThe Docksという3つの島があつまるダイビングスポットをめざす。  
湾からでると、直ぐにセールをあげて帆走開始。  
The Docksまでは約1時間弱のセーリング、今日からは追い風なので、CatJackも快適に進む。  帆走が安定したら、さっそくつりを開始する。  ケンケンといって、ルアーをラインでぶら下げて、その先には海面でばたばたと泡をたてる木製の浮きがついた仕掛け。  船尾から20Mくらいラインをだして、浮きの様子を見る。  まあ直ぐにはつれないさ、ビールでも開けて眺めをみていると、浮きの動きが変化したのを宗一郎が見つける。  
『ラインを引き上げてみようか?』 とりあえず、ラインを手繰り寄せてみると、一発でラインが重くなっているのがわかった。  『かかってるよ!』 おー!  CatJackの乗組員全員の視線が集まるなか、らいんを宗一郎と二人で巻き上げていく。  10mも手繰ると、ルアーの先にきらきら光る魚がかかっていることがわかる。  まだまだ生きがよく、引き上げられまいと大きく抵抗して右に左に泳いでいる銀色に光る魚が船上の皆にもはっきりとわかる。 『さば?』、『かつお?』、『マグロかもよ~。』  期待が膨らむなか、ラインを手繰り寄せていくと魚影が見えてきた。 んんん~。 魚を確認したぼくの口から『あ~残念バラクータだよ』 の声に一同がっかり。 
というのも、このあたりにはバラクータが多く、釣っても食べられないし、歯が凄く、凶暴なので、釣り船にはあげるなと言われているのがバラクータだったので。   
ラインをヨットの船尾からバラクータまで1Mほどのところまで手繰り、ラインをあとは固定して、
バラクータが弱るの待つ。
10分程度はたっただろうか、バラクータの動きが止まったので、手繰り寄せようとラインを手に取ると、最
後の力を振り絞って大きく跳ねたところで、絶命したようだ。
デッキにあげると、体長80cmほどの立派なバラクータ。  大きな口のなかには、キリのような牙が何本も並んでいるのが見える。  

(釣果の第一号はバラクータだった)


















(鋭い牙がならぶ大きな口)




さてこいつどうしよう? 
カマスの仲間だから、焼いたら食えるんじゃない?  
そんな声もあがったので、とりあえず捌いてみることにする。 
船尾のステップに包丁を持って、三枚卸スタート。 頭を落とすと
鮮血がデッキをぬらすが、デッキ用のシャワーで宗一郎が流してくれる。 
半身を開いてみると、(見た目は)おいしそうな上品な白身だった。
魚の形のせいか、鰆にそっくりに見えた。  残りの半身を開いて、3枚卸完成、デッキに残る血が気になっていたところで事件は発生した。 
勢いの弱いシャワーより、海水をバケツでくみ上げてデッキに流そうと、ひも付きのバケツを海に投げ込んだ、シンクローが被害者だった。 
『うおっつ』、大きな声を出す暇もなく、バケツごとにシンクローが海に引っ張れて、落水。 一瞬の出来事に皆、何が起こったのか把握できない様子だった。 
『落水!落水!』 まずは、大声で叫んで全員に知らせるも、見る見る小さくなるシンクロー。 
目の前で旦那様が海に落ちるのを見ていた、なっちゃんが驚きのあまりデッキにしゃがみこむ。
サロンから飛び出してきた仲間も事態が把握できない様子。   

シンクローの運命は。。。 (その2に続く)



(空いていたハッチに落ちてできた傷、シンクローの落水とは関係ありません。。。)





















2011年8月9日火曜日

British Virgin Island sailing Day 2

て本日から、いよいよ本格的にBVIのセーリングがスタート。 
昨日はTortolaに戻ってきてしまったので、今日のセーリングで距離を稼いで、もともとのスケジュールに戻したいところ。  その前に今朝は二つほどやらなければならないことが。  ①修理したジブセールの取り付け  ②フィッシングライセンスの受け取りだ。 

(朝のRoadtown、周りには係留されているヨットがみえる。 町には赤い屋根のTortola島のハトヤが見える=似てないですか? 伊東あたりにー笑)


朝8時半に昨晩の残りのカレーを食べていると、電話が鳴る。 チャーターカンパニーのYannからでセールの修理は完了したので、これからパワーボートで届けに来るので係留場所を教えてくれとのこと。   場所を告げてから15分程度で沖から走ってくるパワーボートが見えた。 CatJackに横付けしてジブセールを受け取って装着作業。 こちらは10分で片付いた。   さて次はフィッシングライセンスだが、こちらは9時にならないと役所がオープンしないから、それ以降でないと無理なのはわかっている。     それでも本日のセーリングの距離を考えると直ぐにでも出発したいので、時計を見ながらちょっとイライラ。  

(やっぱりカレーは翌朝ですよね。Kevinさん!)









(セールの受け取り、セットも無事終了。) 




9時半が過ぎ、10時が過ぎたところで電話がなった。  Jannからのもので、ライセンスを受け取れたからこれからRoadtownのフェリーターミナルに向かうとのこと。 すぐにディンギーに飛び乗って、フェリーターミナルに向かう。   ターミナル正面のパーキングにてJannを見つける。 月曜日はお休みにも関わらず、ライセンスの申請のために役所にでかけてくれて、ここまで持ってきてくれた。  ライセンスを受け取り、彼女に感謝を伝えた後、ディンギーに飛び乗って、CatJackに戻る。 乗船と同時に出航準備開始、RoadTownを出発したのは10時20分だった。   今日は昨日と違い、太陽が見えてやっとカリブ海らしいセーリングとなった。 風は15ノットくらいで最高のセーリング日和。 今日はメインはフルセールでVirgin Gorda島の最南端にあるTheBathを目指す。 ジブセールも修理されたことだし、風上にガンガン上って行きたいところだ

上り角度で50度~55度くらいしか風上に進めない。 プレジャー優先のカタマランではこんなものなのかな。  機帆走でなるだけ上り角度を稼ぎ、昨日にシュノーケリングしたCooperIsland近くまで進む。 そこからベアして、TheBathまでは帆走で進める計算だ。  このあたり、Ginger IslandからThe Bathまでの連なる小島付近は岩礁が広がっているようで、チャート上でも立ち入り禁止の区域になっている。 いつの時代のものなのだろうか、座礁した船の残骸らしきものも肉眼で見える。   デッキに皆、水着で横たわりゆっくり流れる海と景色を楽しんでいる。  BGMで流れる山下達郎のどの曲も今の風景にぴったりだ。(スギーノ、選曲ありがとうございました!) チャートでThe Bathまでの距離が1マイルを過ぎるころには、エメラルドグリーンの海岸に白く輝く砂浜とそれを囲む巨大な岩が見えてきた。  BVIでも人気のスポットで海岸前に係留しているたくさんのヨットも見えた。  海岸の目の前に空いている係留ブイを見つけてアプローチ、風下から入り、ブイにラインを固定。  二日目になると皆もこのヨットに慣れたようで、係留もスムーズだ。    無線で連絡をとると、わたるん夫婦のモノハルもあと20分程度で到着できそうとのこと。 わたるんの乗るローレライ号が見えたところで、ディンギーにて出迎え。 夫婦二人だと、一人がヘルムをとって、もう一人がブイを拾って、シートで固定する作業は慣れるまでは大変なので、係留作業をディンギーよりお手伝い。  これで2艇、CatJack、ローレライともに本日の最初の目的地The Bathに到着。 (到着時刻は12時30分)


係留したCatJackの目の前には、パンフで見たような海の色と白い砂浜が広がるビーチ。  各自海に飛び込んだり、海岸まで泳いだりThe BathのDevil's Bayを満喫する。  今日のお昼はソーメン。 スギーノと真ちゃんの担当だ。   海からヨットにあがって、皆でソーメンをいただく。  屋外でソーメンを食べると、小学生の頃に田舎の縁側で食べたのを思い出す。  大きなボール二つ分のソーメンも11人の胃袋にかかるとあっという間に空になる。 


(Devil's Bayの正面に留めたCatJack上での一枚)




(お昼はソーメン)


出発目標の3時まで、思い思いにすごす。  上陸してTheBathを散歩する、なぜ名前がThe Bathなのか、よくわからないが、巨大な岩が転がって作り出された自然の迷路と洞窟を総称してThe Bathと呼んでいるらしい。 





(The Bathに横たわる巨石からできた自然のドーム)


午後3時過ぎにThe Bathを出発してLeverick Marinaを目指して北上。  Virgin Gorda島の一番北側に位置するマリーナに4時半前に到着。 マリーナに無線で連絡して係留場所を確認。  マリーナではヨットのサイズや形を判断して、ドックをアサインする。    このマリーナはBVIの中でも比較的大きく大型のヨットも係留されていた。  なかでもひときわおおきなカタマランが目だっていた。  船名はNecker Belleとあって、我々のサイズのカタマラン2艇以上の長さだった。   指定のドックにCatJackwo係留したら、マリーナから電気を引いて、WiFiのステーションに電源ON.  さっそく、このNeckerBelleをググッてびっくり。 Virgin グループのオーナー Richard Bransonの105Feet(32m)の豪華カタマランだった!



(Leverick Marinaに係留されているNeckerBelle。 カタマランの横幅も普通の倍以上!)
















 (係留したCatJack)









今晩は自炊はせずに外食に行くことに事前から計画していて、Virgin Gordaでは一番うまいと評価のあったイタリアンレストラン Giorgioを予約しておいた。 トップシーズン(冬)の間はジャケット着用の店ということだったので、Tシャツと短パンからちょっとだけおしゃれして、タクシーにてレストランへ。 
こんな遠くまで大変だったろうと思うほど、イタリアンワインのコレクションは充実していた。 食事はまずまず。 でもちょっと高めだったかな。   

(Reverick Marinaからタクシーで20分のイタリアンレストラン Giorgio )












夕食後にCatJackに戻って、Tシャツに短パン、そしてデッキで潮風を感じながら焼酎で一杯。
こっちのほうがやはり我々にはずっと合っているようです。 



(シンクローが日本から運んできてくれた吉四六。 今日もお酒がすすみます) 












Leverick marineの写真があまりなかったので、Websiteを紹介。 (それにしてもこのサイトよく出来てる。 実際はもっと田舎ですー笑)



本日の記録
Day 3 ( July 4th ) Day run 21.0 nautical miles
  AM 10:18 Departed Road Town
PM 12:34 Arrived The Bath of Virgin Gorda
PM 3:15 Departed The Bath
PM 4:52 Arrived Leverick Marina

2011年8月8日月曜日

British Virgin Island sailing Day 1

チャーターしたカタマラン、”CatJack”はなかなか快適だった。 全部で4つのバースがあり、それぞれにシャワーとトイレが独立して付いている。 それぞれのバース出口から階段を4,5ステップあがると、共同スペースのサロンとキッチンがある。  サロンのソファーには6人がゆったり座れ、向かいの椅子やチャートテーブルの折りたたみ椅子をだせば、9人全員がソファー周りに集まることができた。  冷蔵庫はフリーザーつきの小型のものが2台。  野菜や冷蔵庫にいれる必要のない食料品のダンボールは2箱ほどだったが、サロンのテーブルの下に押し込んで、残りの9人分の1週間の食料も二つの冷蔵庫になんとか収納できた。   エアコンは装備していないが、各バースにある小さい扇風機と各自が持ち込んだゴザのおかげでまずまずの安眠を確保できた。 ただし、ちょっと足が痒い。。。。。 湿気のせいもあって、バースのマットレスにはダニがいるようだ。 天気がいい日にデッキに干したほうがいいなどと話がでる。    

(ベットルームはこんな感じ。 ヨットの船内とは思えないくらい十分に広い)








朝8時にチャーター会社のオフィスがオープン。  必要書類にサインし、BVI内をセーリングするためのCruising Tax,National ParkFeeなどを支払う。 そうそう、ケンケン釣りを持ってきたので、フィッシングライセンスもお願いしないとと口にすると、チャーター会社のJannの顔がちょっと曇った。 『我々はフィッシングライセンスを発行できないので、役所で発行してもらわないといけないです。』 え~~! 釣りは楽しみの一つだったのに! さらに話をきくと、本日は日曜日だから役所は明日までオープンしないという。  とりあえず、書類申請の準備だけを行っておこうということで、Jannの協力のもと、オンラインで申請書類を作成しておいた。  

(チャーター会社オフィスにて。 お世話になったJann)

次に船内の艤装品から大まかな装備の使い方のレクチャーを受けて、人数分のシュノーケリング道具を積み込む。  バッテリーは十分チャージされているが、燃料タンクが2つのうち一つが3/4程度、それから昨日シャワーなどで使った分の水の補給を行う。 後ろにつけられたディンギー(アンカーリグした場合には、こいつを使って陸に上陸)のキーもなかったので、そちらも受け取る。  昨晩判明したデッキのサロンのライト切れも修理してもらう。 (やっぱりヨットのレンタルではいろいろと事前にチェックして出航前に直さなければならない問題が多い)   


最後にYannが来て、これからの航海のブリーフィングを行ってくれる。  まずは、BVI周辺で入れない地域(珊瑚などを保護しているところや、岩礁で危ない場所)の説明と、立ち寄ったほうがよいスポットなどを今後の我々の航海プランと照らしあわせて教えてくれる。 

(チャーター会社のオフィスマネージャーYannからレクチャーを受けているところ)


もともと出発前にメンバー各位でいろいろ調べておいたので、我々のコースや立ち寄りプランはほぼYannの推薦してくれた場所をカバーできていた。   最後にひとつだけ、皆で決めなければいけないことがあった。  それはUA便の荷物4個がまだBVIに来ていないので、そいつをどうやって受け取るかということ。 

 それともう一つはFishingLicenseのことも。(Fishingラインセンスなしの罰則は相当厳しいと聞いていたので、ケンケン釣りのライン一本でもきちんとライセンスを取得しなければならない。) Jannが明日の朝一で役所に行き、申請してくれるというが、どうやって受け取るのがよいのか。  オリジナルの予定にしたがい、隣の島、Virgin Gordaに向かってしまったら、荷物もFishingLicenseも受け取ることができないので、最初の予定を遅らせて、2日目から予定にのせるプランを考え直した。  

というわけで、本日は一番近いCooper Islandまでセーリングしたあと、RoadTownに夕方までに戻り、フェリーターミナル近くに係留。 UAからの荷物が届き次第にフェリーターミナルで通関して受け取り、翌朝 FishingLicenseが発行出来次第にJannにRoadTownまで車で来てもらい、我々はディンギーでフェリーターミナルへ行き、そこでライセンスを受け取るというプランにした。  結構綱渡りだが、なんとかなるだろうと、一同納得して、いざ出航!  MayaCoveを出たのは12時を少し回った頃だった。 当日の天気は残念ながらの曇天であったが、海はどこまでも青く、皆初めてのBVIクルーズに興奮気味。  MayaCoveのエントランス周辺にはかなりの岩礁が続いていて、チャネルマークがハーバーをでてから90度に曲がっていた。  マークが近づくと、浅い岩礁が見え隠れ、こりゃ浅くて危ない。  最後のチャネルブイを抜けていよいよ外洋にでたとたんに強い風。  どんな感じで走るかわからないヨットなので、安全に2ポイントリーフ(強風時の縮帆)でメインセールをホイスト。  目指すCooperIslandは風上に位置しているので、ジブセールもあげるが強い風のせいでうねりも大きく(3m)、42Feetのカタマランはふらふらと揺れながら帆走開始。 途中、ジブシートの中間部分、リーチ付近のセ-ルに切れがあることを発見。 風も強かったため、切れが広がらないように気を使いながら帆走。  これもまた、今後のセーリングを考えると大問題ではあるが、とりあえず今は目的地のCooperIslandを目指すことに。    普段のモノハル(普通の形のヨット)になれているので、まったくヒール(傾かず)しないで進むカタマランは不思議な乗り心地。  ラダーの反応も鈍く、大型トラックのようにステアリングが向いている方向にドーっト進む感じ。 

 風は20ノットをオーバーしだしたので、メインを2ポイントリーフしておいてよかったと心の中で思う。  艇速は5ノット程度が表示され、普段乗っているレース艇と比べると帆走性能は雲泥の差で、シーアンカーを打っているように感じる。 でも今回はレースにきたわけではなく、皆で楽しむセーリングなので、これで十分。   皆はサロンの屋根やバウ前方のデッキ部分でBVIの海の色と風を楽しんでいた。  何度かタックをしているうちにCooperIslandの海岸線にやしの木とモーリングしているヨットが見えてきた。 一時間弱のセーリングでCooperIslandに無事到着。 モーリングブイを拾ってカタマランを無事に係留、到着するやいなや息子やシンクローは青い海に飛び込んだ。 

残りのメンバーもテンダーのディンギーにてCooperIalandResoortのポンツーン(桟橋)に到着。 BVIにて二つ目の島、CooperIslandに上陸。    海岸正面にあるリゾートにはレストランとバーがあって、まずはそこでランチを食べることにした。  真っ青な海が見えるレストランで食べる食事とカクテルの美味さは格別であった。  ランチのあとは3時過ぎまで各自が自由に過ごすこととし、リゾートのブティックで買い物したり、海でシュノーケリングしたり、デッキで昼ねしたりしてあっという間に時間が過ぎた。  


(CooperIslandで昼食をとったCooperIlsand Clubの店内からの一枚。  レストランの正面にはビーチが、そしてその向こうには係留されているヨットがみえる)


さて、本日はRoadTownまで戻らなければならないが、セールの破れもなんとかしないといけない。  CooperIslandを出航して、RoadTownにへさきを向けたところで、チャーターカンパニーのYannに電話する。  ジブセールの破れを報告すると、状況をみたいので、RoadTownに行く前にMayaCoveに戻ってきてほしいとのこと。   破れている部分は30cm程度なので、補修用のセールやリペアテープがあれば、その場で応急処置をするつもりかもしれない。  とりあえず、MayaCoveを目指して帆走する。 

帰りは追い風でやはり20ノットオーバー、CatJackはクオーターリーの風をうけて快調に帆走。  MayaCoveには1時間かからずに到着。  エントランスブイからJannに再度連絡。 一番沖よりのポンツーンにポートからつけろとのこと。  湾内にはいると、大型のカタマランのマニューバリングにちょっと緊張するが、エンジンが二つあるので、思った以上に小回りが効く。 うまく着岸すると、Yannが直ぐに乗ってきた。 ジブセールを開いて破れ部分を確認する。  応急処置ではできないレベルのようで、セールをヨットからはずすという。  皆で作業を手伝ってあっという間にジブをはずして、きれいに畳む。 

我々の手際のよさに、Yannもびっくり。  いつも52Feetクラスのジブセールを畳んでいるのだから、それに比べれば簡単なので当たり前といえば当たり前だが。  換えのセールがあるのかと聞くと、どうやらないようなのだが、明日の朝までに修理するとのこと。  とりあえず、日没前に今日の係留予定地のRoadTownに急いだほうがよいとのYannのアドバイスで、すぐに出航。  『明日からはVirgin Gorda島から北に上がってしまうので、明日の朝までにセールが必要だよ』と僕の問いかけに対して、Yannは『これから大至急修理して、明日の朝には必ず届けるから大丈夫』と答えてくれた。  が、大丈夫なのかな~? 

 MayCoveからは20分程度の機走にて、RoadTownに到着。  途中で携帯にもUAから荷物がSTT空港に届いたので、夕方6時にRoadTownに到着するフェリーに乗せたとの伝言も入っていた。  係留ブイはフェリーターミナルの直ぐ横につけた。 これならフェリーまでディンギーで直ぐにいける。    係留すると、当番のシンクロー夫婦がカレーつくりを開始して、残りメンバーはお手伝いと夕日を見ながらノンビリすごす。    6時過ぎにはもう一度電話が入り、我々の荷物が無事にRoadTownについたのとこと、さっそくディンギーを降ろしてフェリーターミナルへ向かう。   大型フェリーが付く桟橋にディンギーを係留して、入国事務所へ。  フェリー客がまだ行列しているので、彼らが終わるまで待つように言われる。  やく20分後にようやく列がはけ、我々の荷物を受け取る。  通関もなにも、自分の荷物を指差すと、名前も中身も確認せず、OKOK Go ahead and Take these out!だって。  UAに預けた荷物4個をディンギーに乗せて、無事にCatJackに帰還。   これでシャワーを浴びたあとで自分のシャツを着ることができる!  

 モノハルのわたるん夫婦は本日はブリーフィングの後で風が強いことを知り、出航をやはり一日遅らせることとしたので、RoadTownのMooringチャーターのベースにいることが判明。 無線で連絡をとって、CatJackに合流することに。  RoadTownの夜景を見ながら、デッキ側のサロンでカレーライス。 

やっぱり南国にはカレーとビールが似合う。     そして、食事の後には、大トランプ大会が午前2時まで続き二日目の夜は更けていった。 



(シンクロー夫妻が作ってくれたカレーをデッキ側のサロンで食べる。)




(やっぱり大勢でのトランプは大富豪? もう皆上がっているのに、カードどっさりで大貧民争い中の僕)












明日の心配事はいろいろあるが(修理したセールやFishing Licenseの受け取り)、今晩もアルコールとトランプで楽しんだおかげで、ぐっすり。