2011年8月17日水曜日

British Virgin Island sailing Day 3 その2


その1(落水したシンクローよりつづく)

シンクローが海水をくみ上げようと、海になげたバケツに引っ張られて落水した直後に
デッキにへたり込んでしまったなっちゃんだったが、すぐさま真寿美をサポートにつけて
二人でしっかりとシンクローのいる場所をみているように指示する。 
落水で一番怖いのは、落水者を見失ってしまうこと。 大海原で50mも落水者から離れてしまえば、海上にみえる人間の頭など、簡単に見失う。  場所が特定できなければ、どんなに迅速に行動できたとしても落水者にたどり着くことができない。    逆に、しっかりと場所を特定していれば、時間が多少かかったとしても落水者(溺れたりしなかれば)にたどり着き救助することが出来る。

救命ブイを船体から取り外して海面になげるにも少し手間取り、ブイを船上から投げることができたのは、みるみる小さくなるシンクローから100m以上は離れてしまった。 
次に艇速を落とすため、エンジンを停止する。 (少し前より、帆走+エンジンで艇速を稼いだ)
それでもジブセールとメインセールがあがった状態での追い風なので、艇速は5ノット程度はあっただろう。 ターンの遅い、このカタマランで向きを越えてシンクローに戻るよりも、船尾に吊るされたエンジン付きディンギーを使うほうが早く救助できると判断したが、これが間違いだった。 ディンギーを真ちゃんと二人で海上にゆっくり落とそうと固定しているシート(ロープ)をリリース。 ディンギーが海上に接するやいなや、大きな海面の抵抗に引っ張られて、ディンギーもあわや横転するところだった。 急いでシートを皆で引き上げて、横転しそうになるディンギーを固定。  

あとは、できることは、このカタマランで一刻も早くシンクローの落水地点まで引き返すことだけだ。 
CatJackを風上に向けて、クルー全員でセールを下ろす。 
その間にも、目に涙を浮かべていたなっちゃんと真寿美は、小さくなるシンクローの姿をずっと追いかけていた。  二人からシンクローの位置を確認すると、はるかかなた300mは離れたところに、もはや海上の点となったシンクローがいた。  さっそく、エンジン全開でそちらに向かう。  落下したバケツを逆さにして空気をため浮きにして必死に泳いでいるシンクローが近づいてくる。    CatJackが近づくとシンクローの顔にも安堵の笑顔が見えた。    そしてシートを投げて、舳先より無事に救出、わずか10分たらずの出来事だったが、メンバー全員が肝を冷やした大事件だった。    
 
(もちろん、救出劇の最中の写真などはないけど、救出される直前のシンクローです)


デッキにあがったシンクローの無事救出に、皆にも笑顔がもどったが、泳ぎに自信がない人が落ちていたらどうなったことか。   25年のヨット暦で初めて体験した自身の乗るヨットからの落水だったが、いかに普段の訓練で練習していたことが実施できなかったかも思い知った。  
運転席のナビパネルにあった、落水ボタンを押せなかった。 (これをおこなえばGPSで落水位置を特定できる)   救命ブイをはずすのに手間取ったが、デッキ上には、浮き輪やクッション、海に浮かぶものがいくつもあったのに、どれも投げようとも考え付かなかった。  ディンギーを下ろそうとしたのも判断ミスだった。  反省は数々あれど、怪我もなくシンクローが無事だったことがせめてもの救い。  今回貴重な体験をした乗組員の皆にもこれらの反省を心の隅においておいてほしいと思う。 (もちろん、そんな体験が役に立つようなことが、あまりあってはならないが) 

その後、役には立たなかった救命ブイを回収し、とりあえず、トラブルから脱出。  横転しそうになったディンギーからは、オールが一つ海に流れてしまったが、無事に救出できたことに比べれば、小さい小さいと気にしない。 The Dogsに向けてセーリングを再開。

(The Dogsの手前で落水救助のためにCatJackが迂回していることがGPSにもくっきり)



The dogsは3つの無人島が集まっていて、もちろんハーバーなどもないところだが、ダイビングが有名らしく、日中はモーリング(海底に打たれたアンカーから海上に浮かぶ係留ブイに、ラインを結んで船を固定すること)ができるブイがそれぞれに島に用意されている。  一つ目の島、George dogのモーリングブイは全部、埋まっていたので、となりの島、Great Dogのブイにモーリング。   さっそくシュノーケリングを開始。 
 
ここは、いままでの潜った砂浜の海岸とは違い、岩場が近く深いこともあって、いろんな熱帯魚が見え隠れ。   さすがに人気のダイビングスポット。  

(岩場にはさんご礁とその間にトロピカルフィッシュが見える)





ヨット上ではKevinさん、たんちゃんの昼食準備がスタート。  今日はなんと、親子丼!  カリブの海で熱帯魚を見たあとで、親子丼が食べられる贅沢を皆で堪能。 もちろん、シンクローの無事生還を祝う
乾杯も忘れない。   



(親子丼を目の前にビールで乾杯。 さながら移動する海の家?)

 



The Dogsでのランチとシュノーケリングを2時間ほど楽しみ午後1時45分には、本日の宿泊先のScrub Islandを目指して再びセーリングを開始。   このリゾート、実は一番楽しみにしていた宿泊先。  事前の調査で、まだリゾートができて半年ほどしか経っていない最新の場所ということと、なによりサザビーズが投資しているリゾートのウェブページでみた写真が素晴らしかったので。   

(ScrubIslandを目指しながら、再びケンケン釣りを再開。 
今度は鰹があがった。 )






セーリングスタートして1時間ほどでScrub Islandの手前にはMarina Cayという小島が見えてきた。 この島もSabaRockのように小さい岩礁に囲まれた島で、カリブでラム酒を製造販売している、Pusser's Rumが、この島の所有者だそうだ。    島の周りがエメラルド色に光っている。 
見た目はとても奇麗だが、海底が浅い砂浜や珊瑚なのでヨットにとっては注意が必要な箇所だ。   浅瀬をさけて、Marina Cayを大回りすると、今度はScrubIslandの西側に位置しているScrubIsland Marinaが見えてきた。 



皆デッキにでて、Marina Cay, Scrub Islandの素晴らしい眺めにしばし見惚れる



(砂浜と岩礁に囲まれているMarina Cay, 右奥がScrub Island = 観光ガイド用写真が撮られた頃にはまだScrub Island Resortが存在していない)










(左の奥がScrub Island, 右側がMarinaCay, 間にはモーリングしているヨット、カタマラン、パワーボートが)








モーリングは海上で気軽にできるし、係留料金も$20~30と割安だが、海が揺れれば当然係留しているヨットも揺れてしまう。  反面、係留料金はちょっと高くなるものの、桟橋にドックすると係留時のゆれはほとんどなくなるし、陸上から電気をひくこともできる。   本日、CatJackはScrubIslandにドッキングをし、ローレライはモーリングを選択した。  わたるん夫妻もディンギーで夕方にはScrub Islandに乗り付けて、夕飯は一緒にという計画だ。 



(海から見えてきたScrub Island Resort)



CatJackがScrub Islandに近づくと、豪華リゾートが皆の目にも飛び込んでくる。  無線でハーバーマスターに連絡すると、今日のドッキング場所を指定してきた。  CatJackは42Feetのカタマランでカリブ海でセーリングしている中でも中型~大型サイズだが、リゾートに留まっているパワーボートやカタマランはどれもCatJackより大きいものばかり。   指定されたハーバーが見えてくるとハーバーマスターもポンツーン(埠頭)にでて、ラインをとる準備をしてくれている。   大きい埠頭とはいえ、狭いマリーナ内での方向転換はちょっと緊張。  カタマランなので、後進のほうがやりやすいと知識ではわかっていたが実行するのは初めて。 慎重に左右のエンジンを操作しながらポンツーンにゆっくり後進。  運転席が後方にあるので、後進だと船幅も意識しながら埠頭との距離も目視しながら操船できる。  ふーん、それでバックが操船しやすいと言われているのかな?  無事に着岸したあとは、複数のラインでCatJackを固定して完了。     

ハーバーマスターの案内で、リゾートホテルのロビーにてチェックインするよう言われる。
豪華な調度品とソファがあるロビーに入ると、ヨーロッパのリゾートにいるようだ。 チェックインは椅子に座った状態で。 
ヨットの一日の係留費用は、$87!  これで大人9人がカタマランに宿泊して、リゾート施設を全部利用できるんだから、破格といえるだろう。 (水道代と使った電気代は別ですが)
メンバーは各自、プールにいったりリゾート内見学したりして、自由に過ごす。 気にすることなく、シャワーを浴びることもできる。   ジャグジー、プール、スポーツジム、もちろんシャワーやトイレもリゾート内にあるので、水タンクの量など気にすることなく、シャワーを浴びることもできる。   


(プール内には、そのままカウンターに行けるバーもある)












プールで軽く泳いでカクテルを楽しんだあとで、メンバーのうち5人でディンギーにて、隣のMarina Cayに遊びにいくことにする。 
ディンギーで10分程度でMarina Cayに到着。 
さっそくPussers' Rumの店でお土産物色。 皆で$100買ったらただでラムがもらえるというので、皆で土産をどんどん購入!もちろんフリーでPusser's Ramをゲットです。 




(皆で土産買ってゲットしたPusser'sRumはパイナップルの中身をくりぬいてそこに入れてカクテルに)

















(Marina Cayの埠頭には、この電話ボックスの前にLive Cameraが設置されている。 ポーズをとっているのは、インターネットを通じてのアピール? )


5番のMarina Cay電話ボックスを選んだあとに
現在のライブカムの映像がみえるが、画面横の右メニュー、
Find My Photoを押して、 7月5日、4時20分を選ぶと
我々が写った映像も発見!!  おーっと感動したが、当たり前か。。。











ディンギーで日が暮れる前にScrub Islandに戻る。 
釣り上げた鰹はタタキにして、軽く乾杯。  

晩飯はScrub Islandのアウトドアテラスで海を見ながらいただいた。 















いろいろあった一日であったが、カリブに来て初めての豪華リゾートに、皆大満足。 
パイナップルのラムカクテル(強烈に強い)の甘味のせいか、酔いも早い。 
『明日どうしようか?』   
『え~!まだココにいたーい』  
『Scrub Island最高!』 

そうだね、日程は余裕あるし(酔いのせいで誤解している?)、もう一泊ここに
いようか~。  

リゾート気分に浸りながら、Scrub Islandの夜は更けていった。 



本日の記録
Day 3 ( July 5th ) Day run 16.2 nautical miles
AM 9:30 Departed Leverick Marina
AM 10:58 Shinkuro MOB
AM 11:08 Shinkuro was rescued
AM 11:45 Arrived The Dogs
PM 1:45 Departed The Dogs
PM 3:16 Arrived Scrub Island Resort
PM visited to Marina Cay

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